脚本家、西田征史(39)の映画監督デビュー作「小野寺の弟・小野寺の姉」は、見ていてハラハラするほど不器用な生き方を身上とする仲良し姉弟のそれぞれの恋の行方を描いた、ほんわかとぬくもりのあるコメディー。アラフォー女性の葛藤をリアルかつ軽やかに演じたのが姉役の片桐はいり(51)だ。
「私にも弟がいるので姉役に自然に入っていけました。自分の内面と重なる部分もあり、違和感はなかったですね」。弟にふんした向井理(32)とは、西田監督の脚本・演出による昨年の同名舞台でも姉弟を演じた勝手知ったる仲だけに、片桐は「自然な姉弟を演じることができました」と胸を張った。
不惑を迎えた小野寺より子(片桐)は、いつも寝癖がついた7歳年下の弟、進(向井)と一軒家で2人暮らし。早くに両親を亡くしたため、力を合わせて生きてきた。世話好きなより子の気がかりは、進の引っ込み思案な性格。異性にも奥手で見ていられない。そんなある日、1通の手紙が自宅に誤配され…。