サムスンはスマートフォンの大画面化で先行して世界シェアの約25%を握り、約12%のアップルを大きく引き離している。しかしアイフォーン6シリーズは画面の大きさでサムスンに追いついており、販売が本格化している10~12月の決算ではさらに大きな余波を受けるとみられる。市場関係者からは「サムスンのこれまでの高い利益率は例外的なものだった。今までのようなサムスンの優位が続くとは考えにくい」との声もあがる。
部品事業拡大に活路
こうした苦境からの脱却策としてサムスンが打ち出すのが、もう一つの収益源である半導体などの部品事業の拡大だ。決算発表の前日には、ソウル近郊に15兆6000億ウォン(約1兆6000億円)を投じ、半導体の新工場を建設する計画も打ち上げた。価格競争で利益率が小さくなっているスマートフォンに比べ、技術力や規模の大きさといった優位がある部品事業ではまだ利益率を維持できているという事情もある。