飛ぶ鳥を落とす勢いで人気も評価も急上昇中の、ゲスの極み乙女。意表を突くバンド名だが、そもそも川谷絵音(Vo&G)が、自身が活躍するindigo la Endとは別にミュージシャン仲間と遊び心から2012年に結成したもの。それが13年にインディーズからデビューし、14年にメジャーデビューすると、あっという間にコンサートチケットを入手しにくいほどの人気となり、TVドラマの主題歌も担当するように。今年一番話題のバンドとなった。
私はライブハウスでの演奏で「餅ガール」という曲に合わせて餅を投げはじめた頃も見てきたが、当初から“ヒップホッププログレバンド”と称されていたように、卓越した演奏や歌詞のセンス、その独創的なスタイルには秀でたものがあった。「indigo la Endとは差別化している」という川谷は、脚本家・指揮者のような立場で曲を概念的に作り上げてしまうという天才肌、そこにプログレッシブロックやファンクミュージックが好きな休日課長(B)、クラシックやジャズの造詣が深いちゃんMARI(Key)、ファンクが好きで16ビートを得意とするほな・いこか(Dr)の、想像をはるかに超えた変幻自在のテクニックが発揮されている。