「ご飯できたわよ」と呼ぶから台所に行くとまったくできていなかったり、飼い犬ばかりかわいがったり、「彼女できたでしょ?」とやけに勘が鋭かったりする描写がおかしい。しかし次第に、息子に「早く寝なさい」といいながら米をとぎ、早朝から朝食を準備するシーンでシリアス度が増し、「そして…いつの間にか年を取ってる」というナレーションとともに、老けた姿が映し出される。すでに数回見ているが、毎回「いつの間にか年を取ってる」で涙腺が緩む。同じような経験があるからだ。
家族の中で日々起こることといえば、取るに足らないことばかり。そんな小さなできごとを丁寧にすくい取って紡いでいくと、90秒で見ている人の胸をいっぱいにさせることができる。「日常」の積み重ねが、その人にとってどんなに大事か、身にしみる。
番組はBS朝日でも日曜夕方に放送され、60秒バージョンのコマーシャルが流れている。60秒も90秒も東京ガスのホームページで視聴できる。何だか「日常」の良さを見失いがちになっている今、一度見てほしい、とすでに母を亡くした身は思う。(小川記代子/SANKEI EXPRESS)
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