それでも彼女は医師に入部したばかりのバスケットボールを続ける方法はないかと尋ね、大変な痛みを伴う治療を受けながら、練習に励んだ。しかし、病状はどんどん悪化。今年9月、「12月まで生きられない」と告げられた。
吐き気や頭痛が激しくなり、足元もふらつき始めたが、彼女は試合出場の夢を諦めなかった。今季の開幕戦は11月15日の予定だったが、「娘を何とか出場させてほしい」との両親の願いを受け入れ、NCAA(全米大学体育協会)は特例措置で2日に前倒しで開催することを決定。試合会場も母校の体育館から、約1万人収容のアリーナに変更された。
背番号22、シュート決める
試合当日は大学や地元の人たちのほか、全米女子プロバスケットボールリーグ(WNBA)の選手らも応援に駆け付け超満員に。「ネバー・ギブ・アップ」と書かれたTシャツを着た多くの人たちが大声援を送るなか、背番号22番をつけたヒルさんは試合開始17秒に左手でシュートを決めた。さらに後半残り26秒から再び出場すると、今度はまひが強くなっている右手でのシュートで得点を挙げ、チームも66-55で勝利した。