後半はピンク・フロイドを想起させる展開もあり、ギターソロにも情感が籠もる。また、グロッケンをたたくシャーロットを“ティンカーベル”と紹介するなど、ほほえましい一面も。「ハッピー・ハロウィーン!」と幾度も繰り返すショーンは実にリラックスして日本語を交ぜながら曲解説をするが、この2人を間近で見られるだけでもラッキーなせいか、演奏に身体を揺らすよりじっくり見入る客が多かった。最後はシド・バレッドのカバー曲で壮大に締め、浮世離れした気分に浸れたすてきな夜となった。(音楽ジャーナリスト 伊藤なつみ/SANKEI EXPRESS)
■ザ・ゴースト・オブ・ア・セイバー・トゥース・タイガー(THE GOASTT) 2008年にショーン レノンとシャーロット・ケンプ・ミュールの2人で結成。1stアルバム「アコースティック・セッションズ」ではフォーキーなサウンドだったが、最新作「ミッドナイト・サン」ではサイケデリック&シュールレアリスムがコンセプト。シャーロットは12歳の時に大手モデル事務所エリートのコンテストで優勝。モデルのほか、写真家、フォークデュオのケンプ・アンド・イーデンとしても活躍している。