国産が難しかったエンジンは、IHIが開発した。エンジンと飛行を一体的に制御することで、機首を上方の敵機に向けたまま失速せずに前に進むことも可能だ。エンジン部品にはセラミックス複合材を使用、従来のニッケル合金では耐熱性が1000度程度だったものを約1400度にまで向上させた。
技術基盤失う恐れも
防衛省が国産戦闘機にこだわるのは、国内防衛産業の保護という側面もある。F2戦闘機94機の生産は11年9月に完了し、生産ラインは動いていない。このまま放置すれば関連企業が戦闘機事業から撤退し、日本の技術基盤が失われる恐れがある。防衛省は、仮に国産戦闘機が導入されれば4兆円の新規事業が生まれると想定。これを前提に8.3兆円の経済波及効果と24万人の雇用創出効果が期待できると試算している。
政府・与党には「日本の戦闘機は日本で作る」という技術ナショナリズムものぞく。