(1)ロボット探査機が月に接近し、(2)月の南極に着陸した後(写真)、(3)資金提供者の“タイムカプセル”をつかみ上げ、(4)地下100メートルに埋める様子-を描いた想像図(ルナ・ミッション・ワン提供)【拡大】
タイムカプセル(デジタル記憶媒体)を月に埋めたい人は、60ポンド(約1万1000円)を出資金として支払えばよい。出資金はネットで資金を集めるクラウドファンディング方式で集める。月面探査計画に出資すると、タイムカプセルを月に埋める特典がもらえると考えればいい。希望者はこのデジタル記憶媒体に自分の写真やビデオといった個人データを収めて団体に提出する。また200ポンド(約3万6600円)を出資すれば、デジタル媒体とともに自分の髪の毛の束をDNAサンプルとしてタイムカプセル化できるという。
タイムカプセルは密封され、ロボット探査機に積み込まれる。探査機は米民間宇宙開発企業スペースXのファルコン9などの商用ロケットに乗せられ、一定量の日光が射す月の南極を目指す。着陸した探査機は掘削用ドリルで直径5センチの穴を1時間に15センチの速度で地下100メートルまで掘り進む。タイムカプセルはこの穴に埋めるが、探査機は掘削の際に採取した土壌や砂、地層などのデータを分析し、地球に送信するという。
土壌掘削で誕生の謎解明
月は45億年前、火星ほどの大きさの巨大な天体が地球に衝突して形成されたと考えられている。今回の計画が持つ真の目的は、こうした月の誕生に関する謎に迫ろうとする、とてもまじめな学術調査なのだ。