シンチー監督は仏門に精通しているわけではなく、存分に想像力を働かせて物語を執筆したという。「仏門に入った人が異性への愛情に向き合うのは、ドラマチックなこと。だって、仏教の教えと玄奘の気持ちとの間で相いれない矛盾が次々と表面化していくわけでしょう。創作できる空間がどんどん広がっていきました」。この物語が完成するまで、シンチー監督は10年近い歳月を要したそうだ。
映像技術の進歩大きい
なぜ今、中国でこの西遊記が大ヒットしたのだろう? シンチー監督は西遊記が昔から伝承されてきた大人気のお話であることを踏まえたうえで、「映像技術の進歩が大きいですね。映画監督がさまざまに創作できるようになったからです。この作品にも10年前では技術的に実現できなかった映像表現があります。10年後には別バージョンも出てくるかもしれませんよ」