衆院が21日、解散された。安倍晋三首相は自ら、政権の経済政策の是非を問う「アベノミクス解散」と命名し、甘利明経済再生担当相は「この道しかない解散」と名付けた。これに対し、維新の党の江田憲司共同代表は、「国民そっちのけの解散」と反撃した。「バカヤロー」(1953年)や「ねたふり」(86年)、「郵政」(2005年)など、これまでもさまざまなネーミングがあった。識者に今回の解散を命名してもらった。
先が読めぬ「風」
「月刊WiLL」編集長の花田紀凱(かずよし)さん(72)は「野党殲滅(せんめつ)解散」と命名した。理由について「民主党政権がやっていたことと自公政権が今やっていることを比べると、きちんと状況を把握すれば自公しかないとすぐ分かる」と説明。野党の現在の状況について「立候補調整とかいっているけれど、政策も違っていて野合でしかない」と切り捨てた。
政治評論家の有馬晴海(はるみ)氏(56)のネーミングは「勝てるとき解散」。「衆院議員の任期切れの2年後にどのような“風”が吹くか分からない。野党の足並みがそろわず、民主党が何の成果も出せていない今なら勝てると踏んだのだろう」と分析。安倍首相が長期政権を視野に入れているとの見方を示した上で、「悲願の集団的自衛権にじっくりと取り組めるし、東京五輪も見据えていると思う」と指摘した。