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【取材最前線】80代の名優にしびれる (2/2ページ)

2014.11.22 12:40

 シアタートラム(東京・世田谷)の客席は全公演完売。酒をカパカパあおりながら、過去の栄光に浸る困ったじいさんは、仲代さんにピッタリで実にチャーミングだった。

 もう一本は、渡辺美佐子さん(82)と平幹二朗(ひら・みきじろう)さん(80)の2人芝居「黄昏にロマンス」(常田景子訳、西川信廣演出)。露作家アレクセイ・アルブーゾフのコメディーで、ともに戦争で最愛の人を亡くした医師(平)と、患者(渡辺)が、徐々に心寄せ合うさまを描いた舞台だ。

 若いころの恋愛と違い、孤独な人間同士が肩を寄せ合うようにひかれ合う。不器用に踊る場面など、涙がこぼれた。2人にも事前取材したが、台詞はもちろん、ダンスや歌に苦労しながら「ウェルメードな芝居なんですよ」と戯曲への愛情を笑顔で語っていた。好きなことを続けながら、挑戦をやめない名優たち。その格好良さにしびれた。(飯塚友子/SANKEI EXPRESS

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