初公判を終え、ソウル中央地裁を後にする際、加藤達也前ソウル支局長を乗せた車は抗議デモ団に囲まれ、生卵を投げつけられるなどの妨害行為にあった=2014年11月27日、韓国・首都ソウル(大西正純撮影)【拡大】
公判で争点となりそうなのが、鄭氏の陳述内容だ。鄭氏は、朴大統領と会っていたと噂されたセウォル号沈没事故当日について、当初、「(漢江(ハンガン)南岸の)江南(カンナム)の自宅にずっといた」と証言していた。しかし検察側が鄭氏の携帯電話の通信記録を調べると、漢江北側の鍾路(チョンノ)区平倉(ピョンチャン)洞で通話していたことが判明。再度、聴取された鄭氏は「平倉洞で(占い師の)李(イ・サンモク)氏に会っていた」と前言を翻し、検察側は改めてその事実を確認した。
平倉洞は大統領府の北側にあり、2人が会っていたという李氏の事務所から大統領府の正門まで車で15分ほどの距離にある。
弁護側は「大惨事が起きた当日、何をしていたかは比較的、記憶に残っているものだ。鄭氏に何か、平倉洞にいたことを隠す必要性があったと思われても仕方がない」との見方を示し、鄭氏への反対尋問が実現した際に追及する方針だ。
鄭氏と李氏は16年のつき合いとされ、事故当日は約4時間一緒にいて沈没事故などの話をしたという。李氏は鄭氏同様、謎の多い人物で、韓国メディアによると、斡旋収賄(あっせんしゅうわい)の罪で服役した経歴をもつとされる。