初公判を終え、ソウル中央地裁を後にする際、加藤達也前ソウル支局長を乗せた車は抗議デモ団に囲まれ、生卵を投げつけられるなどの妨害行為にあった=2014年11月27日、韓国・首都ソウル(大西正純撮影)【拡大】
加藤前支局長が出廷した際、カメラのフラッシュが一斉にたかれた。マイクを差し出す韓国メディアの質問に対し、加藤前支局長は答えず、毅然(きぜん)とした表情のまま、無言で法廷に向かった。
午前10時の開廷を前に30席余りの傍聴席はすでに満席で、立ち見を含め約70人が傍聴した。
韓国でも裁判所の敷地内での示威行為は禁止されている。しかし、保守系団体のメンバーらは傍聴席に入り、「加藤達也、韓国国民に謝れ」「加藤を拘束せよ」などと叫び、前支局長を非難するプラカードを掲げるなどして、複数の男性が退廷を命じられた。
公判は1時間余りで終了したが、団体メンバーらは裁判所を出ようとする加藤前支局長の乗った車を取り囲み、複数の卵を投げつけた上、ボンネットに横たわるなどして通行を妨害。「謝罪」を迫る紙を車体に貼り付けて気勢を上げた。(ソウル 名村隆寛/SANKEI EXPRESS)