難度がさらに高い地下の物質回収を目指すはやぶさ2には、日本企業が誇る、“ものづくり”の技術の粋が結集しており、宇宙開発における日本の存在感を改めて世界に示す好機だ。
初代の反省生かす
成功の鍵は、故障が相次いだ初代の反省を生かせるか。探査機の姿勢を制御する「スラスター」を担当した三菱重工業では、部品の一体形成を増やして強度を上げた。IHI子会社のIHIエアロスペースは、小惑星の表面に人工のクレーターを作る装置を開発。住友重機械工業はサンプル採取装置を製作した。先端部分に爪状の部品を付け、地表サンプルをすくい上げやすくしたという。
機体の設計・製造を行ったNECは、イオン化した燃料を高速で噴射し推進力を生み出す「イオンエンジン」の性能を25%アップした。