≪国による「歯止め」必要≫
■柘植(つげ)あづみ明治学院大教授(生命倫理学)の話 「今は習慣流産にしか使わないというが、今後、染色体レベルから遺伝子レベルの解析に広がる恐れがある。出生前診断より女性の負担が小さいとの意見もあるが、体外受精をしなければならないことによる負担は小さくないし、選別することの心理的な葛藤はある。また医療者が受精卵を選別することになるため、社会的な影響が大きい検査は一学会が決めるのではなく、場合によっては国が法律か指針などの決まりを検討することも必要ではないか」(SANKEI EXPRESS)
■着床前スクリーニング 体外受精させた受精卵を子宮に戻す前に遺伝的な検査をし、異常のない受精卵だけを戻して妊娠、出産を図る生殖医療。通常は受精卵が4~8分割した初期段階で1~2個の細胞を取り出し、染色体や遺伝子を調べる。日本産科婦人科学会は従来、重い遺伝病と、均衡型染色体構造異常による習慣流産に限って認めており、着床前診断(受精卵診断)と呼ばれている。健康な人を含めて網羅的に染色体の異常を検査する新しい手法では、「診断」の代わりに「ふるい分け検査」という意味の「スクリーニング」が用いられる。