オーストリアのウィーンで8、9日に核兵器が人類に及ぼす影響を議論する「核兵器の非人道性に関する国際会議」が開かれた。
Q どんな会議なの?
A 核兵器を持たない国々は近年、核軍縮が進まない状況に懸念を強めている。このため、壊滅的な被害を与える核兵器の非人道性を議論し、廃絶につなげようとしているんだ。初会合は2013年3月にノルウェーで開催された。今回は第3回で日本を含め約160カ国が出席したよ。
核を保有する5大国のうち米国と英国も初めて参加したんだ。核保有国の軍縮もテーマとなる来年春の核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向けて大きな弾みにしたいという議長国オーストリアが米英両国に参加を働き掛けたよ。日本の被爆者も爆心地の惨状を訴えたね。
Q 会議の成果は?
A 議長総括で、国際的な紛争や緊張の高まりを考慮すれば核兵器が使われる可能性は現実的だとして、究極的な核兵器全廃を求める文書をまとめた。でも、廃絶に至る具体的な道筋を示せず、核を持たない一部の国が主張する核兵器の非合法化と、核保有国が訴える段階的な核軍縮の双方を併記する無難な表現に落ち着いたよ。米英両国に配慮した形だね。