化粧品会社ディーエイチシー(DHC)会長からの8億円借入問題では東京地検特捜部に告発状が提出され、党解党で無所属での出馬を余儀なくされた。自民に“主替え”する支援組織が相次ぎ、「無所属では何もできない」と有権者に見限りも広がった。最大で36人の国会議員を率いた威勢は完全に消えていた。
ある自民県議は「地方選で渡辺氏は、渡辺氏を支えてきた議員がみんなの党に参加しないと刺客を立てた。敵を増やしすぎた」と手厳しい。
渡辺氏を破った自民前職の簗(やな)和生氏(35)の陣営は「前回は落下傘候補だったが、2年で国と地元とのパイプを太くし、確実に信頼を得てきた」。渡辺氏の支援者も取り込み、スローガン「三区一新」を実現させた。
一方、渡辺氏の政治資金問題で、東京地検特捜部が政治資金規正法違反の疑いで、宇都宮市にある渡辺氏の事務所などを9月に家宅捜索していたことが分かった。特捜部は今後、渡辺氏本人から事情を聴き、関係者の立件を検討する。
4月に公表された党の調査報告書は、2010年の参院選前後に渡辺氏が9000万円を借り入れ、返済していた先を匿名の「A」としていたが、特捜部の調べで政治団体「渡辺美智雄政治経済研究所」(宇都宮市)に関連する個人名義の口座だったと分かった。政治団体の収支報告書に出入りの記載はなく、特捜部は規正法違反(不記載)に当たる疑いがあるとみている。