衆院選(14日投開票)は6日、中盤に入り、与野党の党首の遊説に勢いの差が見え始めている。優勢が伝えられる自民党の安倍晋三首相(60)=党総裁=は、ピンポイントで民主党幹部の選挙区に入って攻勢をかける。これに対し、民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)は、愛知など、これまで民主党の“金城湯池”といわれた地域を固める防戦姿勢が目立ってきた。
「屋台骨壊す」
「ここは全国でも有数の激戦区。どうぞ皆さんの力を結集していただきたい」
首相は6日、兵庫県姫路市のJR姫路駅前で、声を張り上げた。姫路市にある兵庫11区では、2012年の前回衆院選で民主党の松本剛明(たけあき)元外相(55)が圧勝している。首相の遊説先で目立つのは、松本氏のような民主党幹部の地元に乗り込む手法だ。すでに11月28日には海江田氏が立候補する東京1区のJR新宿駅前へ繰り出し、民主党政権の外交失政などを批判した。
首相は7日、都内を遊説するが、訪問先は菅直人(かん・なおと)元首相(68)=東京18区=や長妻昭(あきら)元厚生労働相(54)=東京7区=ら民主党のベテラン勢の選挙区が中心だ。自民党幹部は「首相は民主党の屋台骨を壊すことも狙って遊説を組んでいる」と語る。