≪衆院選公示≫
衆院選の2日公示を受け、与野党9党首の第一声を分析すると、安倍晋三首相(60)=自民党総裁=が争点に掲げる「アベノミクス」に多くの党首が時間を割いていた。経済政策の是非が主要論点となっていることが浮き彫りになった。首相と民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)は福島入りし、東日本大震災からの復興に向けた取り組みも訴えた。野党では脱原発や議員定数削減など、独自色の打ち出しに躍起となる姿も目立った。
首相、実績アピール
「アベノミクスが問われる選挙だ。何としても勝ち抜いて、景気回復の温かい風を地域に送り届けていく決意だ」。首相は福島県相馬市内の街頭演説で、約19分間の演説時間のうち8分以上を経済政策に充てた。2012年の衆院選と昨年の参院選に続き、福島で選挙戦をスタート。県を縦断する常磐自動車道が来年3月に全面開通すると表明し、復興加速への「実績」をアピールした。
ただ、いまだに収束しない東京電力福島第1原発事故を踏まえてか、政権として進める原発再稼働への言及はなし。集団的自衛権行使を容認した閣議決定については仙台市で触れただけだった。