安倍晋三首相はアベノミクスを衆院選最大の争点と位置づけた。日銀の大規模な金融緩和は大幅な円安株高を実現し、財政出動は景気を下支えしたが、成長戦略は道半ばだ。景気回復の恩恵は地方まで十分に波及せず、家計や中小企業に円安の副作用が広がる。期待の輸出はなかなか回復せず、人手不足という課題にも直面、消費税増税の高い壁を乗り越えられなかった。
デフレ脱却目標に
安倍首相は21日の記者会見で「アベノミクスを前に進めるのか、それとも止めてしまうのか、それを問う選挙であります」と言い切った。
デフレ脱却を最大の目標に据えたアベノミクスは、日銀の黒田東彦(はるひこ)総裁の就任とともに動きだした。2013年4月4日、黒田総裁は「2年で2%の物価上昇」を目指し、大規模な金融緩和策を導入。今年10月31日には約1年半の沈黙を破り、電撃的な追加金融緩和に踏み切った。
その規模は予想を超え、市場は活況に沸いた。政権発足前日の12年12月25日終値で1万80円だった日経平均株価は21日、約1.7倍の1万7357円で取引を終えた。円相場も1ドル=84円台から117円台まで約4割下落した。