広がる円安副作用
アベノミクスは「円安で企業の競争力が高まり、輸出が伸びて外貨を稼ぐ。これが国内の設備投資を刺激し、雇用が増える。大企業がもうかれば恩恵は底辺にまで染み出す」(首相)仕組みだ。
だが大企業の生産拠点の海外移転が想定以上に進んでおり、輸出が伸びなかったのが誤算だった。下請け中小企業の受注は伸びず、原材料のコスト増だけがのしかかり、円安倒産も増えた。
急速な円安で電力料金や原材料、食品の価格が上昇し中小企業や家計も直撃した。雇用や所得は増えたが、物価高や増税負担を補うには力不足で、消費者は節約志向を強めている。農林中金総合研究所の南武志主席研究員は「円安の負担は地方経済や家計に大きくマイナス面が目立ち始めている」と指摘する。
人手不足が足かせ
安倍政権は12、13年度とも公共事業を中心とする大規模な補正予算を編成し、14年度当初予算も95兆9000億円規模と過去最大に膨らんだ。
財政出動で経済を支える姿勢を鮮明にした。公共事業の拡大は地方経済の浮揚に一役買ったが、人手不足で工事は遅れた。国の借金は増えたが、公共事業の景気刺激効果は十分に発揮されなかった。