衆院が21日に解散され、野党は安倍晋三政権に代わる勢力の結集を目指している。ただ、12月2日の衆院選公示を前に民主党に駆け込む前議員は後を絶たず、21日に発表された維新の党の公認候補に前回は他党から立候補した元議員らの名も少なくない。候補者のいない選挙区を急ぎ埋める“膨張路線”にひた走り、「選挙互助政党」になりつつある両党の姿がうかがえる。
相次ぐ駆け込み
「これから自民党に4年間任せたら、日本はとんでもない方向にいってしまう。私たちこそ、その流れをただす勢力になる」
民主党の海江田万里(かいえだ・ばんり)代表(65)は21日、衆院解散直後の両院議員総会で気勢を上げた。民主党の議席増をあてこみ、他党からの駆け込みが相次ぐ現状への自信がうかがえる。
この日は、解党が決まったみんなの党から新たに柏倉祐司(かしわくら・ゆうじ)前衆院議員(45)らが党本部に枝野幸男(ゆきお)幹事長(50)を訪ね、入党届を提出した。柏倉氏は栃木1区で民主党公認候補となる方向だ。