ギター、案外控えめ
そんな彼の初めてのソロ名義のアルバムは、インストゥルメンタルの曲から、R&Bグループを迎えたり、ラッパーをフィーチャーしたりと、ボーカルとのコラボレーションも楽しめる。しかし、ギタリストとしてギターの音色が全編にわたって前に出ているか、というと、案外控えめな印象である。
「自分があんまりギターだけが印象的なアルバムが好きじゃないから。もちろんバンドでギターをガンガン弾く自分もいますけど、それはステージで見せればいいかなと。クリエーター、プロデューサーとしての視点もバランス感覚として持ちながら作ったアルバムと言えますね。めちゃくちゃファンクなギターアルバムを期待している人には物足りないかな?」。こう語るが、濃いエッセンスはしっかりとにじませているので、ファンク系の好きな人にも文句のない仕上がりだと感じる。
「20代、30代の時に、他のギタリストと共演した時にバトルしていた感じではなく、受け止めながら共に鳴らす感覚を持てた40代の今が一番楽しくギターを弾けている」という彼は「今考えているのは、グルーブする、のではなく、グルーブを『鳴らす』んです」という。