今年初めに初音源を一聴した時から気になる存在だった。スピード感のあるアグレッシブなビート、ユニークなギターリフ、切なさを帯びるのに熱を持ったハイトーンなボーカル。そして顔を出さないミステリアスなジャケット写真。私は後で知ったのだが、ボーカル&ギターのwowakaは音声合成ソフトのボーカロイドを使って楽曲を発表していることでもネットを中心に話題だったという。
4人組のロックバンドとしてのヒトリエは、そのライブの熱量も特筆すべき要素である。ワンマンライブではメンバーも衣装の色が変わるくらい汗をかき、さながらスポーツか格闘技という激しい動きでエネルギッシュにパフォーマンスをする。4人の高い熱量が一体になった爆発力のあるステージは、音源を聴いた時以上の衝撃だった。
今年に入ってからシングル、7曲入りのアルバムがリリースされ、さらに11月26日には1stフルアルバム「WONDER and WONDER」がリリースになった。その制作は「大変だった」とwowakaは振り返る。
ライブ、体感の喜び
「テーマに沿ってアルバムを作り始めましたが、曲が作れなくなって制作が滞ってしまい、バンドで話し合いを設けました」。途中で制作方法を変更し、バンドメンバー全員で制作に取り組むことにした。その結果、バンドとしてのまとまりのある作品につながったという。