THE STARBEMSは、元BEAT CRUSADERSの日高央(とおる)が2012年12月に結成したバンドである。熱量のあるハードコアなサウンドをベースに、メロディアスなサビで聴く者を魅了する。
以前に組んでいたバンドのポップな印象が強かったり、サイドプロジェクトで1980年代へのオマージュのようなAORサウンドの作品を作ったり、はたまた木村カエラへのプロデュース楽曲がヒットしたりと、ポップで明るい曲を作る人、というイメージを勝手に抱いていたので、最初にこのバンドの音源を聴いたとき、そのストレートで力強い、ギタリストを3人も使った圧倒的な音圧のハードコアサウンドと、怒ってうなっているようなシャウトのボーカルが響く楽曲に、とても驚いた。
ボーカルでリーダーの日高がもともとパンクやハードコアの影響を受けてきたという、彼自身の音楽的ルーツを知れば納得できる曲調である。もう一方で、パンクやハードコアといった音楽が、社会に物申す表現方法として若者のメッセージを代弁してきたという側面を意識していることも作品を聴きながら感じられる。日高自身も「パンクにひかれた理由の一つに『常に弱者の味方である』というのがあったので、特に東日本大震災以降、つらい立場にある人々の目線になった歌詞にしようと思っています」と話す。