そして、いつもの優しい笑顔で、「フツウに接していいんだよな。あいつらいいねー! もっと撮りたいねー」と。超多忙なスケジュールと、今後のライブの日程とのにらめっこが始まった。
達生さんは「ライブの写真は誰でも撮れるような気がするけど、僕はメンバーの笑顔が撮りたい」と話す。撮られる側と撮る側のバトルともいえる、緊張と笑い。「どうコミュニケーションをとるのか」と聞くと、ニヤリと笑い「男の子は下ネタだよ。下ネタ」と。ここにも「フツウでいいんだよな」があった。「下ネタ。たぶん通じると思う。こないだ、それがわかった」と、まるでワルガキのようにいたずらっぽく笑う。
「サルサガムテープにカメラを向けて何か変わった?」という問いにも、「彼らみたいな障がいを持った人を見る目が変わった。今までは無意識のうちに壁を作っていたんだな。でもそれは、一朝一夕ではなくならないと思う」と、ストレートな言葉で答えてくれる。あー、写真って、被写体のみならず、撮る人も写り込むものなんだなぁと感じた。
折しもサルサガムテープは20周年の節目の年。写真集に、写真展に…容易ではないが、勝手に妄想が始まった。