サムスングループの支援のもと、米国で救世軍が子供たちのために開いたクリスマスパーティー。サムスンは福祉や教育に向けた慈善活動も世界中で展開、イメージの向上に力を入れている=2014年12月17日、米サウスカロライナ州グリーンビル(AP)【拡大】
在鎔氏は第一毛織の株式を約25%、健煕氏の長女でホテル新羅社長の李富真(ブジン)氏(44)と、次女で第一毛織のファッション部門社長の李叙顕(ソヒョン)氏(40)がそれぞれ約8%を保有。第一毛織は上場時に発行した新規株式で1兆5200億ウォン(約1630億円)を調達。時価総額は約15兆2500億ウォン(約1兆6390億円)となり、李一族は多額の資産を得た。
資金調達を急いでいるのは、サムスンを世界的な企業に育て上げたカリスマ経営者の健煕氏が、5月に心筋梗塞で倒れたことが背景にある。健煕氏は今も現場に復帰せず、今秋以降、在鎔氏への権力移行をにらむ動きが一気に加速した。
再編し権力集中
健煕氏はサムスン生命保険やサムスン電子などグループ主要企業の株式を保有しており、それらの資産を引き継ぐには多額の相続税を支払う必要がある。韓国内では「新規上場や事業売却で相続税の資金を調達している」(外資系証券アナリスト)との見方が強い。