維新の党の橋下(はしもと)徹共同代表(45)=大阪市長=は23日、都内で開いた執行役員会で辞任を申し入れ、了承された。「大阪都構想」実現の鍵を握る来年春の統一地方選で行われる大阪府議選や大阪市議選の対応に専念するため。松井一郎幹事長(50)=大阪府知事=も辞任し、江田憲司共同代表(58)が代表として党運営を行う。
橋下氏は執行役員会で「大阪都構想の実現に専心したい。いったん職を引きたい」と申し出た。橋下氏は最高顧問、松井氏は顧問に就任。両氏は統一選後に元の役職に戻ることも検討する。松井氏の後任の幹事長は、松野頼久国会議員団会長(54)が務める。
橋下氏は、安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」などの取り組みを高く評価し、政権に「是々非々」で対応してきた。一方、労働組合との関係が深い民主党を厳しく批判してきた。これに対し、江田氏は野党再編に前向きで、橋下氏の辞任は野党再編の動きにも影響を与えそうだ。
橋下氏は2008年に大阪府知事に就任し、11年に大阪市長に転身した後の12年に日本(にっぽん)維新の会を結成した。日本維新は12年の衆院選で54議席を獲得し、第三党に躍り出た。分党して「維新の党」として臨んだ先の衆院選は41議席だった。