安倍晋三首相(60)は24日、衆参両院本会議の首相指名選挙で第97代首相に選出され、第3次安倍内閣を発足させる。自民、公明両党が衆院で3分の2を上回る勢力を確保し、首相は長期安定政権を見据えるが、来年は重要政策が相次いで待ち構えており、一つの判断ミスで政権が大きく揺らぐことも起こりかねない。
週内にも緊急対策
首相は、27日にも緊急経済対策を発表する。年明けには財源の裏付けとなる2014年度補正予算案を閣議決定し、並行して15年度予算編成も迅速に進める。安倍政権が掲げる「アベノミクス」が機能不全にならないよう、経済再生を最重視する路線は堅持していく。
首相にとって最大のヤマ場は、来年4月の統一地方選後に始まる予定の集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法制の国会審議だ。民主党などは憲法解釈を見直す7月の閣議決定の撤回を求める構えでおり、特定秘密保護法の国会審議のように国会が混乱する事態も起こりかねない。
また、九州電力川内原発など原発再稼働の判断が相次いで予定される。