「次のボンド役」候補と報じられた英俳優、イドリス・エルバさん。次回作「スペクター」を含む2本についてはダニエル・クレイグさんの続投が現時点で決まっている=2014年10月2日、英国・首都ロンドン(ロイター)【拡大】
エルバさんは南アフリカのネルソン・マンデラ元大統領を演じた映画「マンデラ 自由への長い道」(2013年)などで知られる英国の二枚目俳優。だが、初の黒人ボンドへのハレーションは大きく、関連ニュースを報じた12月24日付と12月28日付のデーリー・メールのコメント欄には「彼がボンドを演じるならシャーロック・ホームズもスーパーマンもバットマンも黒人で良いわけだが、遠慮したいね。作家は新しいアイデアやキャラクターを作り出すべきで、オリジナルを変更すべきではない」といった投稿が相次いだ。
ツイッターで「否定」
もちろん、「ボンドは架空の人物なので、クールでハンサムで上品ならどんな民族が演じても良いのでは」「架空の人物を黒人が演じてはいけない理由はない」などの肯定論もあったが、非難も殺到。「白人に(黒人の)ネルソン・マンデラを演じさせるのか?」「トム・ハンクスが(米公民権運動指導者の)マーティン・ルーサー・キングを演じるようなものだ」といった人種差別すれすれの投稿も少なくなかった。
こうした批判の高まりに、エルバさんは28日、ツイッターに「007ってハンサムじゃなきゃいけないんだろ? みんなが僕にチャンスがあると思ってくれてうれしいよ。良い新年を」というコメントとともに、自身の変顔写真を投稿し、一連の報道を否定したともとれなくない対応をとってみせた。