ウクライナ情勢を受けた対ロシア制裁は昨年3月が皮切りとなった。日本は欧米諸国と足並みをそろえつつも制裁発動を遅らせた。北方領土交渉を途切れさせないためにプーチン大統領への配慮を示した形で、外交筋は「かじ取りはNSCで議論された」と説明する。
だが、公表されるのは議題のみで、平均約45分とされる意見交換の内容については厚いベールに包まれている。
議事録作成には慎重
NSC創設関連法の衆院審議の際には付帯決議に「議事録作成について検討し、必要な措置を講じる」と明記されたが、具体的な対応策は打ち出されていない。
むしろ政府は議事録について「外交、安保上機微に触れる情報が含まれる」(菅氏)として、作成、公表には慎重な姿勢で、政策決定プロセスの歴史的な検証が危うくなる事態もあり得る。
議事録ではなく、議論の結論をまとめた文書については既に特定秘密保護法に基づく「特定秘密」に指定され始めており、「外交に不利益を及ぼす恐れのある情報」と認定されれば半永久的に非公開になる可能性もある。(SANKEI EXPRESS)