新型スマホ「小米4」を発表する小米科技(シャオミ)の雷軍CEO(最高経営責任者)。黒いTシャツにジーンズのラフな姿は米アップル創業者のスティーブ・ジョブズ氏を思わせる=2014年7月22日、中国・首都北京市(ゲッティ=共同)【拡大】
2010年4月、北京で産声を上げたシャオミは11年8月からスマホの生産を開始。雷軍CEOは経営哲学はもちろん、製品発表会見での服装や立ち居振る舞いまで、米アップルの創業者、スティーブ・ジョブズ氏(1955~2011年)を徹底的に模倣している。
だが、まねするばかりではない。新型スマホをインターネット限定で販売し、商品PRも交流サイトによる口コミに頼り広告費はゼロといったユニークなコスト圧縮策を断行し、“高品質低価格”のスマホを提供してきた。
その結果、米調査会社IDCによると、中国のスマホ市場では13年に米アップルを抜いてシェア3位(11%)に。さらに14年には韓国サムスン電子を抜いて1位(14%)となった。世界市場のシェアでも昨年7~9月期には1年前から3.2ポイント伸ばして3位(5.3%)に大躍進を遂げ、サムスン(23.8%)、アップル(12.0%)に次ぐ存在となった。1位を維持したサムスンは前年より8.7ポイントも落としており、これはシャオミの大攻勢の影響と言われている。
実際、14年7月発表の新スマホ「小米4」は、5インチ液晶画面やソニー製の1300万画素のカメラを備え、機能はアップルの「iPhone(アイフォーン)」並みだが、価格は1台1999元(約3万8600円)と半額以下で、中国の若者が競い合うように買い求めた。