「グーグルグラス」をかけるグーグルの共同創業者、セルゲイ・ブリン氏。かつてこの眼鏡で「世界を変える」と語っていたが…=2013年2月20日、米カリフォルニア州サンフランシスコ(AP)【拡大】
グーグルは「卒業」と表現したが、人材や資金が大量投入される中枢部門のグーグルXから分離されたことで、IT業界アナリストや専門家からは、その先行きに悲観的な見方が広がっている。
誤算の連続「市場がない」
「現実世界とネットの仮想世界の融合」をうたい文句に登場したグーグルグラスは無線でネットにつながり、右目上のモニターに地図などが表示され、音声操作で通話やメール送信のほか、写真や動画の撮影などもできる。対応アプリの開発を促進するため、13年5月に技術者向けに発売。その1年後、一般消費者も購入できるようになった。
ところが、誤算の連続に見舞われた。ロイター通信によると、普及のカギとなるゲームなどのアプリの開発に参入した16社のうちツイッターなど9社が販売台数の少なさなどを理由に昨年中に撤退。米リトルガイゲームのトム・フレンセル最高経営責任者(CEO)は「現時点では市場がない」と言い切り、普及は困難との見方を示した。
使用者からも「テスト版に高額な費用がかかるのも問題だが、最大の失望は専用アプリがないことだ」(英国の大学のコンピューター学講師)などの不満の声が相次いでいる。