アマゾンを率いるジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)。劇場映画の制作に乗り出すことが明らかになった=2014年6月8日、米ワシントン州シアトル(AP)【拡大】
米業界誌ハリウッド・リポーターや米紙ニューヨーク・タイムズ(いずれも電子版)などによると、アマゾン・スタジオは2010年に設立され、主にテレビ番組の制作を手掛けてきた。プライス副社長は昨夏にも米業界紙に「映画30本の制作を準備している」と語っており、満を持しての参入となる。すでに「オーシャンズ11」などで知られるスティーブン・ソダーバーグ監督(52)や、「ワールド・ウォーZ」のマーク・フォースター監督(45)らハリウッドの大物と協力関係にある。
制作する映画は 娯楽大作ではなく、制作費が500万~2500万ドル(約5億~30億円)規模の作品になるという。さらに映画館で公開した後、4~8週間後に自社の映像配信サービス「プライム・インスタント・ビデオ」でも見られるようにする。既存の映画会社が制作した作品は劇場側への配慮から、ネット配信は公開の9カ月~1年後になっている。
「おきて破り」に反発
アマゾンの“おきて破り”に対し、早くも米劇場主協会(NATO)が、反発姿勢を示すなど波紋が広がっている。
アマゾンは、今年のゴールデングローブ賞で性同一性障害をテーマにしたテレビドラマ「トランスパレント」が、コメディー・ミュージカル部門の作品賞と男優賞に輝いた。さらにアレン監督と契約を結び、1話30分のドラマシリーズを配信することも明らかにした。