スリランカの中心都市コロンボで、就任宣誓を行うマイトリパラ・シリセナ新大統領(中央)。公約通り、前政権時代の中国頼みの姿勢から脱却できるか、注目される=2015年1月9日(ロイター)【拡大】
【国際情勢分析】
パリの風刺週刊紙銃撃事件などフランスで起きた一連のテロで世界中が震撼(しんかん)していたころ、南アジアのスリランカでは大統領選が実施され、強権を振るっていたマヒンダ・ラジャパクサ氏(69)が敗北し、政権交代が実現した。
ラジャパクサ氏は昨年11月、2期目の任期が2年も残る中で今年1月の大統領選実施を宣言した。3選禁止の憲法条項を自ら撤廃した上での行動だった。ところが、突然、閣僚だったマイトリパラ・シリセナ前保健相(63)が離反して立候補を表明。短い選挙戦だったにもかかわらず、81.5%という高投票率の中、シリセナ氏が51.3%の票を獲得して、ラジャパクサ氏の3選を阻んだ。
失敗したクーデター画策
一部の報道によると、ラジャパクサ氏は軍や司法を使って、選挙結果を無効化しようと、事実上のクーデターを試みたが協力を得られなかったという。シリセナ氏が投票翌日の9日に大統領就任の宣誓をするという異例の“早業”も、ラジャパクサ氏の動きを封じ込めるためだったとして、クーデター説の信憑性を高める材料になっている。