ヨルダンの首都アンマンの現地対策本部を指揮する中山泰秀外務副大臣は28日午前、後藤さんの安否について「今実際に進んでいる問題なので、お答えは差し控える」とし、「絶対に諦めない」と述べた。
パイロットのカサスベ中尉は昨年12月下旬、有志国によるシリア北部でのイスラム国空爆作戦中に戦闘機が墜落しイスラム国に拘束された。イスラム国側は女死刑囚との交換を求めていたとされる。ヨルダン政府は、24日に公開された音声付き画像でイスラム国が後藤さんとの交換に要求を変更してきた後は、「中尉と後藤さん」と「女死刑囚」の交換による一括解放を探っていた。
「国家の息子」
中尉はイスラム教スンニ派の有力な家系の出身で、叔父は軍の元最高幹部。拘束されてからの1カ月間、その安否は国民的な関心を集めてきた。アブドラ国王は中尉の家族に会い、「生還させるよう全力を尽くす」と約束。25日には地元紙との会見で、中尉を「ヨルダンの息子」と呼び、「救出は国家の最優先課題だ」と表明した。