米国では新興の高級バーガーチェーンが、トランス脂肪酸を使わないポテトなどで「健康志向」をアピールし、若い客を奪う。日本ではコンビニエンスストアがコーヒーや軽食に注力し、巨大な店舗網で脅威となっている。状況を打開するには、「各地域の市場環境や、多様な消費傾向に応じた商品開発を強化する必要がある」(法政大学大学院の小川孔輔教授)。
マックもこの点に気づき、米国では来客が好きな具材を選べるハンバーガーを全米2000店で提供する方針。日本もカサノバ社長が会見で、食材の組み合わせを選べたり、地域性などをいかすメニューの開発を打ち出した。
ただ、西村氏は「小手先の改革なら何も変わらない。組織体制を大きく変え、国ごとの権限を強化するなどの『解体的出直し』が必要だ」と訴える。もっとも日本事業の抜本改革は米本社との意思統一も必要で、収益構造の立て直しには時間がかかりそうだ。(SANKEI EXPRESS)
■期限切れ肉と異物混入問題 日本マクドナルドは昨年7月、中国から使用期限切れの食肉を使った加工品を輸入していたと発表。関連する鶏肉製品の販売を一時中止した。今年1月には、福島県郡山市の店舗でデザートにプラスチック片が入り、子供がけがをしていたことが発覚。青森県や京都府、大阪府、沖縄県などの店舗でも異物の混入を訴える苦情が相次いだ。