4倍の陪審員候補
自伝に基づく映画が公開中という異例の事態に対し、弁護側は公判前から審理に影響が及ぶと主張。裁判所も通常の4倍の数の陪審員候補を召喚し、映画を見たり、自伝を読んだりしたかを尋ねるなどの配慮をしたという。
それでも弁護側は納得せず、「国民の記憶が薄まるまで裁判を先延ばしにするべきだ」と求めている。
1月16日に米国で公開された映画は、今年度の米アカデミー賞で作品賞など6部門にノミネート。興行収入はすでに2億8500万ドル(約340億円)に上り、戦争映画としては「プライベート・ライアン」(1998年)を抜き史上最高を記録した。主演のブラッドリー・クーパーさん(40)は役作りのため18キロも体重を増やしたといい、カイルさんとの酷似も話題になっており、陪審員の心証に影響が出るのは避けられない。
映画をめぐっては、保守層がカイルさんを英雄視し絶賛する一方で、リベラル層は「戦争の美化」と批判し、世論は二分している。裁判は2週間行われる。(SANKEI EXPRESS)