古楽奏者たちの存在
バロック音楽は、一部の作曲家の作品を除き、長い間忘れられた存在だった。「バロック音楽という用語が用いられるようになったのは20世紀初期からである。バッハは忘却からよみがえった音楽家であるが、バロック音楽も同様である」と西原稔・桐朋学園大教授は指摘する。たとえば、ヴィヴァルディの没年の月日がやっと判明したのは38年だ。
バロック音楽の“再発見”は、作曲当時の楽器を使い、演奏法を再現する古楽奏者たちの存在が大きい。さきがけとなった一人は、ニコラウス・アーノンクール。53年にウィーン・コンツェントゥス・ムジクスを結成し、現在まで第一線で活動を続けている。
今日では、ヨーロッパにおいて、バロック・オペラは普通に上演されるようになった。また鈴木雅明が音楽監督を務めるバッハ・コレギウム・ジャパンのようにヨーロッパで高く評価される日本の演奏家も出現している。(月刊音楽情報誌「モーストリー・クラシック」編集長 江原和雄/SANKEI EXPRESS)