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不安な私生活でも明るい曲ばかり バイオリニスト 吉田恭子さんインタビュー (1/3ページ)

2015.2.12 12:20

リサイタルを行うバイオリニストの吉田恭子さん。バイオリンは名器グァルネリ・デル・ジェス=2014年4月25日(岩切等さん撮影、提供写真)

リサイタルを行うバイオリニストの吉田恭子さん。バイオリンは名器グァルネリ・デル・ジェス=2014年4月25日(岩切等さん撮影、提供写真)【拡大】

 バイオリニスト、吉田恭子が3月、年に1度のリサイタルを東京・紀尾井町の紀尾井ホールで開く。プログラム前半のメーンはベートーベンの有名曲バイオリン・ソナタ第5番「スプリング・ソナタ」。「何度も演奏してきた作品ですが、最近ようやく、ベートーベンの一音一音にリアリティーを感じられるようになりました」と話す。

 音の必然性

 リサイタルで、やはりよく知られたバイオリン・ソナタ第9番「クロイツェルソナタ」は取り上げたことはあるが、5番は初めて。

 「なぜ『スプリング・ソナタ』を弾かないの?と聞かれます。あまりにも有名な作品です。最近、ベートーベンの音の必然性を感じられるようになりました。この曲を弾いていると、激情型といわれるベートーベンはユーモラスな人だったのではないかと思います。『スプリング・ソナタ』は、プログラムの最初に決めました」という。

 この作品は1801年、ベートーベンが31歳のころに作曲された。翌02年には、難聴による絶望などをつづった「ハイリゲンシュタットの遺書」を書いている。

深い色彩感、味わって

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