かつて父と暮らした能登半島で岬(永作博美)は焙煎コーヒー店を開業した。目の前にある汚い民宿で暮らすシングルマザーの絵里子(佐々木希(のぞみ))は仕事のため足しげく金沢へ通い、自宅は留守がち。退屈を持てあました2人の子供たちはコーヒー店を訪ね、次第に岬になつくようになり…。
台北生まれの姜秀瓊(チアン・ショウチョン)監督(45)の新作「さいはてにて~やさしい香りと待ちながら~」は、相いれない価値観を持つ2人の女性が、次第に強い絆で結ばれていくまでの心の軌跡を丁寧に描いている。SANKEI EXPRESSのメール取材に応じたチアン監督は「現場は日本人ばかりでも、尻込みはしませんでした。作品がどんなテーマで、自分がどこまでできるのかという関心が先行したからです」と振り返った。