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【溝への落とし物】ありがとう事情、最前線 本谷有希子 (2/3ページ)

2015.3.3 16:10

旅で出会った子猿=2014年12月29日(本谷有希子さん撮影)

旅で出会った子猿=2014年12月29日(本谷有希子さん撮影)【拡大】

  • 劇作家、小説家、演出家、本谷有希子さん(本人提供)

 ところで、この問題が厄介なのは、「それが悪いことなのか、いいことなのかよく分からない」という部分のような気がする。これが二言目には罵詈(ばり)雑言を吐いてしまうような、悪の部分が引き出されているのなら、大いに問題だろう。

 けれど、ことはそう単純ではない。たとえばLINE上には「ありがとう」という言葉が飛び交っているが、誰もそのことについてひっかかったりしないのは、「ありがとう」は言ったほうも言われたほうも幸せになると私たちが知っているからだ。小さい頃から「ありがとう」と言われて、嫌な気持ちになる人は一人もいない、と教えられてきたからだ。

 その軽さに傷つくことだって

 しかし果たして、本当にそうなのだろうか。本当にみんな「ありがとう」と言われて嫌な気持ちになったりしたことが、一度もないのだろうか。現に私は今、自分の胸にじっくり手をあてて考えてみたが、いくつかの場面で思わぬ「ありがとう」の軽さに傷ついたことを思い出した。見るからに形だけの感謝や、たった数秒で送り返されたthank youスタンプに、もやもやとしたわだかまりを覚えたことも、一度や二度ではなかった。

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