この間、長塚は東京と仙台を頻繁に往復し、1月からは週の大半を仙台で過ごした。全5幕で200ページを超す台本の上演時間を約3時間にコンパクトに収めた。物語は池を模したシンプルなセットの中、テンポよく進む。
「蛙昇天」は、演劇による震災復興が進化した形でもある。長塚は「今回だけで終わらせたくない」と、地方演劇の活性化のモデルケースとしたい構えだ。
「地域で生まれたエネルギーを使い、僕らが一緒に作った地方演劇の可能性は限りなく大きい。地域の観光発信にもなり、呼んでもらえれば全国各地に公演に行く。僕らの取り組みが刺激になって、同じように演劇を作りたいという動きが地方に出ればうれしいし、東京にも刺激になる」と、さらに作品が育っていくことを期待している。(藤沢志穂子/SANKEI EXPRESS)
【ガイド】
3月14、15日 りゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館劇場(新潟市)。問い合わせ(電)025・224・5521