3月9日、台北市内の行政院で、抗日戦争勝利70周年の活動について発表する台湾当局の関係者ら=2015年、台湾(田中靖人撮影)【拡大】
戦ったのは蒋介石軍
台湾の中国国民党政権には、抗日戦で勝利したのは、国共内戦で敗れて49年に台湾に逃れる前の蒋介石政権だとの自負がある。国防部の報道官は今年に入り、抗日戦での中国共産党の役割を強調する中国政府に対し、不快感を表明している。
「抗日戦に参加した老兵に隊列行進させる計画はないのか」
立法院(国会に相当)外交・国防委員会では9日、国民党の林郁方立法委員(63)が高広圻国防部長(国防相)にこう迫った。中国は9月に北京で行う軍事パレードに、抗日戦に参加した退役将兵を台湾から招待する方針だとされる。林氏の発言は、中国ではなく台湾こそが元将兵によるパレードを行うべきだとの立場を示したものだ。
これに対し、中国で対台湾政策を主管する国務院台湾事務弁公室の報道官は11日、「抗戦勝利は全民族の勝利であり、台湾同胞が記念行事に参加することを歓迎する」と余裕の態度を示した。この発言は、元将兵だけでなく、馬英九総統や国民党の朱立倫主席(53)の出席も「歓迎」したものと受け止められている。