3月9日、台北市内の行政院で、抗日戦争勝利70周年の活動について発表する台湾当局の関係者ら=2015年、台湾(田中靖人撮影)【拡大】
中国への配慮も
元将兵の参加について、台湾で対中政策を主管する行政院大陸委員会の報道官は5日、「現職の政府職員は大陸(中国)が主催する記念活動やパレードに参加しない方がよい」と述べるにとどめている。台湾で存命の元将兵は約3万人にも上るといい、台湾当局が禁止しない限り、一定数が北京でのパレードに参加するとみられる。
表面上、「抗日戦争勝利70周年」をめぐって中国と対立する馬英九政権だが、その中でも中国への配慮があるとの見方もある。中国が軍事パレードを行うとの報道が出た直後、立法委員の林氏は高国防部長に台湾も総統府前でパレードを行うべきだと提言した。国防部の報道官は3日、提言のあったパレードではなく、基地内で演習の模様を紹介する「戦力展示」を計画していると明らかにした。
国防部は理由として予算や準備期間の不足を挙げているが、国民党に批判的な自由時報は9日、パレードを行わないことで、馬政権が中国への「善意」を表すことになっているとの研究者の見方を紹介している。(台北支局 田中靖人/SANKEI EXPRESS)