一方のジェイク・ワンは、スヌープ・ドッグ、50セントなどの大物アーティストのプロデュースを手掛け、グラミー賞にもノミネートされた経歴の持ち主。この2人が手を組み、親しみやすい旋律を引っ提げ、音楽トレンドのど真ん中に登場するのだから話題にならないわけがない。CDショップ店頭でのプッシュやラジオのパワープレーもあり、日本でのヒットも確実視されている。
単なるディスコ懐古ではない
ブラックミュージックを愛する2人がフォーカスした、往年の音楽ファンにも受け入れられる懐かしのファンク/ディスコ風の音楽性。そもそもこの手の音楽は、クラブDJによってダンスクラシックとして長年息長く評価されてきた。そして、ここ10年はよりリズムを重視した音色の加工や構成の変更で楽曲を再生するリエディットという手法の隆盛もあり、ブギーリバイバルと言った新たな呼称で急速に存在感を増していた(ブギーはディスコの別名でもある)。
もちろんTuxedoの楽曲にもドラムの音質や鍵盤の音色に現代性が取り入れられ、最新のボーカルトラックとして若い世代へのアプローチは可能だ。決して単なる懐古趣味にはなっていない。