「仮面ライダー」「スーパー戦隊」といった東映が誇る正義の特撮ヒーローたちが、夢の共演を果たす劇場版「スーパーヒーロー大戦」シリーズに、新キャラクターが加わることになった。その名は「仮面ライダー3号」。映画のタイトルも「スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号」と銘打たれた。だが、ちょっと待ってほしい。「仮面ライダー」シリーズといえば、仮面ライダー1号(藤岡弘)、2号(佐々木剛)に続き、3番目はV3(宮内洋)ではなかったか?
東映の担当者によれば、V3のテレビ放映(1973~74年)がスタートする半年ほど前、原作者の石ノ森章太郎(1938~98年)が「別冊たのしい幼稚園」(1972年)に掲載された原作漫画に「仮面ライダー3号」を登場させていたという。石ノ森自身も3号をとっておきの企画として温めていたとされ、3号はいわば幻の仮面ライダーだったのだ。
現場では若手も先輩
3号こと黒井響一郎を演じるのは、ミュージシャンとしても活躍する及川光博(45)で、この映画の主題歌も担当している。V3の「大ファン」と公言する及川は「お話をいただいたとき、コツコツと仕事を頑張っていれば良いこともあるんだ、夢ってかなうんだな、と思いました。実は20歳のころ、仮面ライダーの主演オーディションを受けたんです。このときにもし合格していれば、僕の役者人生もまた違ったものになっていたのかもしれませんね」と声を弾ませ、感慨深げだ。