≪「普天間の固定化回避」一点に集中≫
菅義偉(すが・よしひで)官房長官が、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に反対する翁長雄志(おなが・たけし)知事との初会談の場に沖縄を選んだのは、不退転の決意を示す意味が込められている。1996年の普天間返還合意から19年がたったが、移設は実現していない。「粛々と移設工事を進める」と繰り返す菅氏には、ここでケリをつけなければ、普天間飛行場の固定化が避けられないという危機感が募る。
ぎこちない初対面
4日午後3時すぎ、西普天間住宅地区の返還式会場。菅氏と翁長氏は、そろって壇上に向かった。壇上の席も隣同士。だが、2人は目を合わせようとせず、それぞれ挨拶する相手の姿をちらりと見るだけだった。
返還式の終わり際、言葉をかけたのは菅氏だった。