自由社の歴史が平成以降、初めて「南京事件」を記述しなかった。一方、学び舎の歴史は2004年度検定以降、記述がなかった「慰安婦」に言及し河野談話も教科書で初めて取り上げた。
東日本大震災について、全9教科104点中58点(55%)が取り上げ、内容も大幅に増加。原発事故も社会と理科を中心に30%が取り上げた。自衛隊については災害派遣などの役割を強調する記述が増えたほか、「天皇」についても被災地や外国訪問などの公的活動を紹介するなど記述を増やす教科書が目立った。
今回は「脱ゆとり」で、学習内容を大幅に増やした現行の学習指導要領に基づく2回目の検定。全体の平均ページ数は前回の10年度検定の教科書からさらに6%増え、旧指導要領に基づく06年度検定からは33%増となった。
≪10点中9点「韓国が不法占拠」≫
「韓国が不法占拠」。6日に検定結果が公表された中学校の教科書では、竹島について、社会科の全教科書が取り上げ、地理と公民の10点中9点は日本の政府見解を踏まえ、こう明記した。尖閣諸島についても「日本固有の領土」と強調。見開きで特集する教科書もあるなど“控えめ”だった領土記述が一変した。