≪できることから着実に 住民と「発展」≫
この地域では約半数の住民が国の貧困ライン以下の生活を送っているため、「保健カード」さえ所有していれば、住民は保健サービスを無料で受けることができる。しかし、サービスを受ける保健施設までは遠く、施設や備品は老朽化し、保健スタッフは経験不足。サービスの質に対する信頼度も低く、言葉の壁、慣習などさまざまな問題が待ち受ける。
現在でも多くの女性が保健省で推奨されている最低4回の産前検診を受けず、7割以上の妊婦が自宅出産を行っている。しかしこうした出産には出血過多、感染症、新生児仮死などのリスクが伴う。
事業では保健センターの分娩(ぶんべん)室の建設や産科備品の供与、助産師や医師への研修、村落では地域住民に向けての啓発活動などを行っている。
事業を実施していく中で、最も支援が必要な場所ほど受け入れ体制が不十分なため、支援とその効果が限定的になってしまうと感じることがある。たとえば、「村落出産介助者」の研修候補生を選出する際には、より支援が必要な遠隔地の村ほど、条件を満たす人物を見つけることは難しかった。